たまゆら第7話 感想


たまゆら〜hitotose〜 第7話 『竹灯りの約束、なので』より引用


竹原に越してきたぽってのために、憧憬の道という竹の中にロウソクを入れて灯したり、願いを書いた灯篭を飾ったりするイベントに参加する話。かおるは当日の晴れを願うためにてるてる坊主を作ったり、ぽってを楽しませようと色んなところを連れ回す。


そして、その夕方。だんだんと天候が悪くなり小雨が降り始める。雨が降ると火を灯せないためイベントが実行できなくなってしまう。雨避けに入った店で休憩するぽって、かおる、そしてその友達。前日から今日を楽しみにしていたと楽しそうに話していたぽっては疲れて眠ってしまう。席を立つかおる。

「どうした?かおたん」
「くやしい…。ぽってが戻ってきて初めて憧憬の道なのに。ぽってにとっても、あたしにとっても特別な年なのに…。なんで雨降ってんだよ、ばか。」

いえすあすみす!


ぽってはまだ寝ぼけていて、夢か現実か区別が付かない半分睡眠した状態で夢を見る。

「あ、何だろう。とってもあったかい声…。かおちゃんかな…。あぁ、今年も見られなかったんだっけ…。」


そして、死んでしまったお父さんに伝えたい想いを夢の中で伝える。カメラをはじめたこと、新しい友達ができたこと、大切なものができたこと、泣かなくなったこと…。優しい声でかおるがぽってを起こす。

「ぽって。」
「あ、5時過ぎてる…」
「雨、上がったよ!行こ!」


そして、雨上がりの美しい憧憬の道が映し出される。ここで号泣。


自分の好きな相手のために色々考えて楽しませようとしていたかおる。それまで順調だったのに、すごく些細なことで全てが台無しになってしまう。それは天候のように、自分ではどうしようもなく怒りをぶつけることも出来ないので「くやしい」と一言つぶやく。その後、ぽっての気持ちや、かおるの想いが届いたのか、降っていた雨が晴れてしまう。


人の心は繊細にできていて、すごく小さな石ころにつまづいた程度でこれまでの全部がダメだったと考えたり、これからの全てが上手くいかないんだと感じて悲観してしまうときがある。他人から見れば凄く小さく些細な出来事や、また雨のようにどうしようもない出来事であってもそう感じるときがある。


でもそれは、想いさえ失わなければきっと解決する。そんな小さいことで悩んでいたんだと笑える日がくる。まさに止まない雨はない。そういう希望を持つことを伝えたかったんだと感じる。こうやって、言葉にしてしまうのはとても簡単なのだけれど…。


今の自分が仕事をするにあたって、考えていることはいくつかあって。


すごく人の心に近い部分の仕事がしたいと思う。これまでの自分の仕事や色んな製品を見てみると、心の感じられない物ばかりが作られ溢れているような気がする。とりあえず大量生産で安いから買えみたいな。他人の心についてあまりに無関心で図々しく、大量に作れば一つくらい好きなのあるだろうから無理してでも買え、みたいな強引な選択を迫ってくる。


一方で、Apple製品なんかは梱包を開けたときの体験も重要視されていて、それは心に凄く近いものを作っていると思う。製品以外では、音楽であったり文章であったり、アニメ、映画、漫画も心をつかもうとしてくる。


心に響くものは売れる。


こう書いてしまうと凄く商売的で嫌な言葉にみえてしまうんだけれど目指す方向としては正しいんじゃないかなと思う。笑わせたり、泣かせたり、元気のない人を励ましたり、キュンキュンさせたり、そういう人の心を動かすものを作り出せたら自分にとって幸せであるし、他人にとっての幸せも願える気がする。


具体的に言えばイラストを描いたり、キャラクター描いたり、服飾デザインとかコンセプトデザインとかそういう仕事をしたいのかもしれない。イラストが描ければTシャツでもマグカップでも作れるし、これまでの広告デザインに応用ができることもあるし、描いてみながら模索してみようと思う。


そして、どうせやるなら一番を目指す。だからより良いものが生まれる。
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