早見沙織さんから年賀状が届きました。

[声優] 早見沙織さんから年賀状が届きました。


たぶん自分にとって早見沙織さんは一番引っ張ってくれる存在なんじゃないかなと思う。あ、あけましておめでとうございます。今年も情熱だけで生きています。


早見沙織さんに出会わなければ今ほど生きることに対してがんばれなかった気がする。早見沙織さんに出会って『自分が気付かなかった感情を芽生えさせた』『まだ誰にも見せてない翼を広げさせてくれた』、そんな例えに当てはまる心境になった。それまでは無関心で心から笑えることもなく惰性で生きていたけど、ただ前に進むだけじゃ見えないこともあるんだって知った。


この辺りはよく聴いてる歌の歌詞からの引用なんだけれど。


それじゃあストパン見て、わたしにできることって何だろうかと考えるとイラストが好きなんじゃないかと思った。じゃあ、どれだけ情熱を注げられるのかと試す意味で描き続けてみると結構がんばれる。それならと活躍してる早見沙織さんを目標にしてイラストを描いて生きていくわけ。そこでこれ完全にバクマンだよねと気付いてしまった。そんな俺のディスティニー。


そこにはやみんからファンレターの返信、もとい年賀状がきた。左側は名前バレるので薄消ししてます。マイラブリーエンジェル早見ちゃん。迎撃ブログは早見沙織さんを応援しています。
早見沙織ちゃん年賀状

GAINAXが見た夢とロケット、10分くらいで分かる王立宇宙軍 オネアミスの翼


王立宇宙軍 オネアミスの翼 1987年3月14日公開劇場作品


何かを決断するにあたって歴史に学べとよく言われる。それは義務教育での口実に使われることもあるが、何も何百年も昔まで調べる必要はない。今を知るために少し前の人が何をしたのかを知れば良いのだ。


そうやって調べて行き着いたのが、この王立宇宙軍 オネアミスの翼。この作品を起点にして今のアニメを考えて見たり、自分が何をアニメに対して求めているのか、これから自分が何をしていくべきなのか考えていこうと思う。


まずはこれを作った会社ガイナックスから。

株式会社GAINAXはこの映画の製作のために1984年12月に発足、その中心メンバーのほとんどは当時まだ20代前半であり、世代的には、そう言って良ければアニメファン第一世代(1960年前後生まれ)に属する。


志を持つもの、何かをしたいと思う若者が集まってフィルムを作ろうと。なるほど、夢のある話だ。


この映画の内容を簡単に言えば、宇宙へ飛ぶ有人ロケットを作ろうという話。主人公のシロツグは周囲の人間と等しく現状に倦怠感を持ち、それでも何不自由なく生活できるのだけど、このままで良いのか?という疑問もあった。そんなある日、リイクニという女の子と出会って半分くらいの下心もありながら人類初の宇宙飛行士に立候補する。

「やめとけ、親が泣くぞ!」
「死ぬぞ!確実に死ぬ!」
「考えてみろ。俺たちが入ったとき1期生は何人いた?俺とお前の2人だけだったか?」


そんな周りの説得や反対を受け流して、気取ったようにおどけて言ってみせるシロツグ。

「マティ、科学は我々に全生涯を求めているんだ。歴史に恥ない立派な仕事をしようじゃないか」


ひとつはリイクニに良いところを見せたいという気持ちと、もうひとつは漠然と目標が出来たことで、今までの自分を忘れてひた向きに夢を追って努力していく。命を失うのは怖いけど、そんな姿は一度も見せてはいない。


そして成し遂げたいことを一言で夢といっても、それは他人から賞賛される美しいだけのものじゃない。誰も自分に期待はしてないし、自分の叶えたい夢は他人の犠牲の上に成り立っていることも分かってしまう。有人ロケットの反対集会を開かれたり、またロケット開発と対称的に世間の貧困が進んでいたりして、自分が成し遂げたいことが本当に正しいのかどうか揺さぶりを掛けてくる。また大人たちはそんな夢を都合よく捻じ曲げて、政治に利用したり金儲けしようと企む奴もいる。


夢の起点となってくれた女の子、リイクニだって宗教家で文明社会を批判するから誰もシロツグの得た夢を後押しなんてしてくれない。だからそれは自分で決断して掴み取りに行かなきゃ掴めない。リイクニとの関係も紆余曲折ありながら、最後の言葉はたったの一言。「いってらっしゃい」だった。それ以上は必要ない。


シロツグの上司が言う。

「文明が戦争を生むのではない、戦争によって文明が作られたんだ」
「誰の言葉です?」
「私の言葉だ。我々人類は原始時代の地獄より抜け出し、十万年もかかってここへ辿り着いた。しかし、ここはどうだ?根本的には何も解決されないではないか。若い頃は歴史家になりたかった」
「なぜ、ならなかったんですか?」
「戦争が起きた、それで軍人になった。同胞を異民族の侵略から守るため必死で戦った。しかしそれが、正義などではなく太古の昔から繰り返されてきた殺戮の歴史をなぞっているだけであることもよく知っていた。悲しかったよ。いや、軍人になったことがじゃない、歴史を勉強したことがだ。歴史は破産するまで終わらないゲームなのだ。たぶん、マヌケな猿が始めたに違いない。昔へ戻れだと?道は一本きりではないか、大切なのは自分の立場を見つけることだ。そこで何をやるべきか、何をやるべきでないかを考える。本物の目玉は鼻の上についている一組分。それだけだ。そこから見てみろ、何が見える?」
「…女のケツ」
「お前のは節穴だ」


そして打上げ当日。成功させようとあれこれ画策するも、周りは戦火に包まれロケットの発射は無理だと伝令がきた。

「やむ終えんだろう。悔しいのはわしも一緒だ。今度こそはうまく行くとは思ったんだがな。仕方がない引き上げよう。くだらん事だ。命を掛けてまでやって割が合うようなものじゃない。諦めよう。」
「ちょっと待ってくれ。そりゃないぞ、何がくだらないことだよ。ここで辞めたら俺たち何だ?ただのバカじゃないか。ここまで作ったものを全部捨てちまうつもりかよ。今日の今日までやってきたことだぞ。くだらないなんて悲しいこと言うなよ。立派だよ。みんな歴史の教科書に載るくらい立派だよ。俺まだやるぞ!死んでも、あがってみせる。嫌になった奴は帰れよ!俺はまだやるんだ!十分!立派に!元気にやるんだ!」


そのシロツグの言葉に一度は諦めかけた周りのメンバーも打ち上げようと協力して…。


当時のガイナックスからして見れば、この有人ロケットそのものが劇場アニメであり、夢そのものであるとも言える。それは誰かにやれと命令された訳じゃない、何かやりたいという者が集まって最後まで成し遂げてしまった。素晴らしい。


日常の倦怠感を断ち切るためにロケットを打ち上げる。


もしかすればそこに大層な意義なんてなく、やってみたら何かあるんじゃないかと、変わるんじゃないかなという想いが先行してるのかも知れない。または実際に変えようと行動した結果であるとも言える。


世の中には実にたくさんの夢に溢れている。けれどふわふわ見えてる夢だって、大人の都合で作られていたりする。だから本当に自分の成し遂げたい夢は自分で考えなきゃ見つからない。そして、それを掴み取りに行かなきゃ掴めない。誰かが、掴んで良いよと許可をくれるわけじゃないんだ。


自分のメッセージと何か変えたいという気持ち。


自分は自分が考えていることを何かの文脈に沿って伝えることが好きだ。それは今まで自分の発言に自信がないからだと思い込んでいた。けれど、これまで見てきたアニメのように何かを伝えるには説得力がないと伝わらない。その説得力とは過去の文脈だ。


その文脈は何でも良くて、ただ身近にアニメがあっただけなのかもしれない。デザインという仕事だって過去のデザインの文脈がなければ説得力をもたない。もし身近にあるのが文学書であれば小説家になったかも知れない。ただ、自分の考えたことを何かの形式で人に伝えていきたいんだと思う。それがたぶん今見えてる自分の夢だ。


ガイナックスは25年前のアニメで夢を宇宙にまで飛ばして見せたけど、今現在放送されているアニメは、そのほとんどが隣に座る女の子の心境ばかり気にかけている。それはひとつの夢かもしれないけど、どうせなら社会を大きく変えてみたい。けれどアニメ程度じゃそれは変わらないかもしれない。実際にアポロが月まで行ったと世界中の人が知って、教科書に載っても、社会の閉塞感はなかなか断ち切れない。


ロケットだって最初から上手く飛ばせた訳じゃない。


だからたぶん、これまで生きてきた誰もが同じように倦怠感や閉塞感を持つことはあった。それを今ここで、これが現実なんだと受け入れて、挑戦も行動も何もかも捨ててしまうというのは、それはやっぱり夢がない。

「ここまで作ったものを全部捨てちまうつもりかよ。今日の今日までやってきたことだぞ。くだらないなんて悲しいこと言うなよ。立派だよ。みんな歴史の教科書に載るくらい立派だよ。俺まだやるぞ!死んでも、あがってみせる。嫌になった奴は帰れよ!俺はまだやるんだ!十分!立派に!元気にやるんだ!」


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参照元
王立宇宙軍 オネアミスの翼 - Wikipedia
王立宇宙軍 オネアミスの翼
オネアミスの翼

アニメセイクリッドセブン 今のうちに振り返っておく、5分で分かるセイクリッドセブン第7話まとめ


セイクリッドセブン 第7話 『真実のヨシアシ』より引用


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「他人のことより、自分たちの心配をしろよ」
「どういうこと?」
「お前たちは自分がどんな立場にいるのか理解していない。お前たちは研見に騙され続けている」
「そんなこと」
「少しは人を疑ったらどうだ。目にした事実が全てを語っているとは限らないぞ」
「研見さんが私たちに何か隠していると言うの?」


これまで街を破壊している敵と一緒に戦ってくれた研見。しかし一方で研見に命を狙われているナイトは、アルマたちが研見に騙されていると言う。

「研見を生かしておけば俺たちは殺される。…いや、研見だけじゃない。俺たちの力の利用価値に気付いた人間は全員敵に回る」
「そんな…ことって」
「事実だ。受け入れろ。そして二度と邪魔をするな」
「邪魔?」
「俺は研見を殺して自由になる」
「それを見過ごせって言うのか!」
「丹童子アルマ。お前は、何のために戦ってるんだ?」


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セイクリッドセブンの能力とは、要は力なのだれけど、それを研究と称して自分たちに都合良く利用して利益を得ている奴がいる。アニメの描写では研見が求めている利益とは戦う力だけれど、これを現実に置き換えればそれはお金のためだ。


疑問に思うことはとても大切で、何も知らずに調べずにいると、無知なまま自分は正しいことをしていると思い込んでしまうことがある。誰だって間違った方向に進みたいわけじゃない。でも結果的に間違っていたと思うことは多々ある。


特にそれは大人の都合で騙される。


歪んだ真実を押し付けられて、こうするのが正しいんだと誤った認識を与えられて、事実を見失う。そこでも自分が正しいと自己正当化しまったり、もしくは疑問も抱かないまま都合良く大人に利用される。何かに疑問を持って調べてみて、そこで騙されていたと気付いた頃にはすでに大人たちは消えてる。現実はそういうものだ。


ナイトと別れたあとで研見が言う。


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「ほう。わたしがセイクリッドセブンの力を持つものを人体実験していると…。なるほど、そんな話を。確かに我々はセイクリッドセブンの力の謎を解き明かそうとしている。だが、そのような非人道的なことは絶対にしていない」


世の中には、正義感だとか道徳心だとか自身を正当化するための言葉がたくさんある。それは最もらしく聞こえるけれど、やっぱり建前でしかない。何の見返りもなく何か行動しようと思ってる大人なんてのは少ない。


子供の頃にボランティア精神を育むという名目で授業があったけれど、ほとんどの人は嫌だ、やりたくないと声を揃えた。それは大人になっても変わらない。よって大人は自分の利益のためにのみ動いてる。こう考えれば、大人の嘘を見抜ける手助けになるかもしれない。


ルリに問いかけるアルマ。

「君はどっちを信じるの?研見さんか、ナイトか」
「今迂闊なことは言えません、この件に関しては徹底的に調査します」


セイクリッドセブンの全体のストーリーは、主人公のアルマが正しい方向に力を使うためにルリの宝石を使う。それで変身して力を解放して悪と戦っていくという王道展開なのだけれど、アルマが変身する時に「変身!」と叫ぶわけでもなく、変身するときにはルリが宝石を胸元にあててこう叫ぶ。


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「わたしのいしをあなたにあげる!」


石と意思を掛けている…って説明するのは野暮だけど、女の子の意思を受け取って自分が正しい方向に進んでいくというのはわかりやすい。


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アニメたまゆら 今のうちに振り返っておく、5分で分かるたまゆら〜hitotose〜第1話まとめ


冒頭は主人公の沢渡楓(さわたり ふう)の語りから始まる。

この春、私は生まれた町を離れて懐かしいこの町の高校に入学した。天国に行ったお父さんが好きだったこの町で、お父さんが教えてくれた写真をもう一度始めることにしたのは、楽しかった思い出を全部悲しい色に染めてしまうのをやめようと思ったから。ふわふわと幸せな気持ちのときに写真に映る小さな光の子供たち。それが、たまゆら。これを教えてくれたのもお父さんだ。たまゆらの写真は見る人もちょっぴり幸せな気持ちにしてくれる。だからわたしはこのカメラでレッツフォト!なので。


物語は楓とその親友であるちひろちゃん、2人の中学3年生の夏に始まる。楓はちひろのことをこう語る。

小学校からお友達のちひろちゃんはわたしがお父さんのことで悲しい気持ちにならないようにいつも気遣ってくれて、元気出してって応援してくれる。ただ、ちょっと泣き虫なので。


楓が亡くなったお父さんを思い出しそうになると、楓より先にちひろが泣き出してしまう。遠くで幸せそうな家族とお父さんが見えると別の場所に行こうと連れ出してくれる。ちひろは楓を優しく見守ってくれる良い友達だ。


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「いつも私の方が先に泣いちゃってごめんね」
「ううん、そのおかげでわたし泣かずに済んでると思う。ちひろちゃんはわたしの元気の素なので。」
「そ、そんなこと別にっ!」


そう照れ隠しをするちひろ。楓はその時の心境を語る。

あの頃の私はお父さんのカメラも写真も、何を見ても悲しくなってしまって、全部しまってもらった。ちひろちゃんがわたしの撮った写真を『楽しくて好き』って言ってくれたそんな思い出も、『竹原の町にいつか一緒に行こう』って約束したことも。わたしは全部しまいこんでしまった。


そんなとき、楓の弟の香ちゃんがお父さんの撮った写真のアルバムをどこからか出してきた。その写真を見て楓は何かに気付く。そこには楽しかった瞬間、自分たちの笑顔や色々な表情が写っていて、お父さんの優しい気持ちが伝わるような懐かしい写真ばかりだった。


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不思議だ、どの写真も今は悲しくない。いつの間に変わったんだろう?

「お母さんあのカメラ…どこにあるの?お父さんのカメラ」
「楓…うん。しまってあるよ、ちゃんと」
「そのカメラ、わたしもらっても良い?」


そう聞くとお母さんはしまっていたカメラを楓に渡した。楓はカメラの使い方をお父さんに教えてもらっていたので、思い出しながら手入れをする。そんな姿を見たお母さんが楓に声をかける。


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「お婆ちゃんが言ってたね。お父さんは楓の中にずっといる。今は悲しくて分からなくても、きっと気付くよって」


翌日、楓はそのカメラを学校に持って行ってちひろに見せる。ちひろは相変わらず泣き虫で、涙を流しながら「良い、それ良いよ楓にょん」と言ってくれた。最初の一枚目はちひろちゃん。


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そのあとで竹原に引っ越すことになる楓。それをちひろの部屋で伝える。

「そっか、じゃあもう決めたんだね」
「ごめんね、一緒の高校に行こうって言ってくれたのに」
「ううん、全然いいの。気にしないで」


そう言ってからちひろは自分で編んだぬいぐるみを手に取り、顔の前に当てて腹話術のように話し始める。


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「楓にょんすごいブユ。そりゃあちょっとは寂しいけど、楓にょんが自分で決めたのが嬉しいブユ。だから応援するブユ。笑顔でお見送りするブユ。」


そうやって部屋にあるたくさんのぬいぐるみを抱えて楓を応援するちひろ


楓はファンである写真家、志保美さんにファンレターを出す。それと小さい頃に友達で、今は文通相手になっているかおるちゃんに引越しを伝える手紙を出した。 

「かおちゃんもさよみお姉ちゃんもどんな女の子になってるだろう?」
「そうねー、会うのが楽しみね」

お母さんはそう言ったけど、ほんと言うとわたしはちょっとだけ不安。以前と変わらずに同じにやれるだろうか


後日、志保美さんからファンレターの返事が届く。そこには楓の写真を褒める内容が書かれていた。そして、手紙の中に行き先の書いてない切符が一緒に入っていた。それをちひろはお守りだと言った。

「楓にょんなんか変わった。なんていうか、アグレッシブ!…もう一度あのカメラを持つようになってからだよ。たぶんだけど、楓にょんのお父さんが力をくれてるんじゃないかな。楓にょんがまた写真を始めたのも一番喜んでるの、お父さんかもしれないね。」


そうこうしてあっという間にちひろと別れる日がくる。その日ちひろは朝からたくさんのぬいぐるみをプレゼントしてくれた。その夕方。近所の公園で話していると、ちひろはこう言い出す。

「楓にょん、実はプレゼントまだあるの…。自信ないからどうしようかなって思ってたんだけど、いらなかったら遠慮なく言ってね」


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「すごーい!アルバムとカメラケースに切符ケースも付いてる!かわいいー!」
「いってらっしゃい、楓にょん。私も応援してるよ。」
「うん、ありがとう」
「良かった、ちゃんと泣かずにお見送りできた」
ちひろちゃん、アグレッシブだ」


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1人で竹原に旅立つ楓。竹原に向かう電車の中からふと海を眺めると、お父さんと一緒に眺めた変わらない海の景色を思い出す。カメラケースにはその時にお父さんが撮った写真があった。


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電車から見る風景は何も変わってない。全部あのときのままだ。わたし、今帰ってきたんだ。お父さんがいたあの頃に。でも町はいろいろ変わっただろうな。わたしの知らない顔があるのかも。


1人で不安を抱えながらも駅に到着する。駅を出てすぐ足下に『おかえりなさい』の文字が彫られているのを見つける。そこに楓を待っていたかおるが声をかける。

「ぽって、おかえり」
「かおちゃん…ただいま」


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そこでこれまでの不安が安堵に変わって、突然涙する楓。それを心配そうに駆け寄るかおる。そこで楓の語り。

そのとき、この町がわたしをずっと待っていてくれた気がした。悲しい色はもうどこにもなかったので。お父さん、ただいま。…そしてわたしたちは卒業して、いつかちひろちゃんがこっち遊びに来てくれるって言ってたの、楽しみなので。


たまゆら〜hitotose〜は癒されるアニメだ。佐藤順一監督、良い仕事してます。演技もまさに等身大といった感じで、竹達彩奈さんの楓役も素晴らしいし、寿美菜子さんの泣き虫なちひろちゃんの演技も良かった。また音楽も全体的にゆったりとしていて、泣かせにくる演出が容赦ないので不覚にも涙してしまう。そんなゆったりのんびりいい雰囲気なアニメでした。


たまゆら?hitotose?第1巻 [DVD]

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たまゆら~hitotose~第1巻 [Blu-ray]

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おかえりなさい

おかえりなさい

アニメたまゆら・公式サイト | 2011年10月3日から放送開始!

感動、感動って簡単に言うけど


世の中のほとんどの人は、物語を見て感動しても「それは作り物の世界だからだよ」と口を揃えて言う。


次の日には「あの仕事は嫌だよね」とか「あの人変だよね」と愚痴を言い合い、お互いにお互いを慰め合いながら毎日を過ごしている。いつも自分が生贄にならないように監視と共有に切磋琢磨している。そんな姿を疑問に思って「物語を見てさ、何か思わない?」と聞いてみると「だってあれは物語でしょ?夢と現実は違うでしょ?」と怪訝そうな顔をされる。


どうも一般的な人たちは物語に感動を憶えたとしても、自らの頭で考えたり何かを変えてみようとする気もないみたいだ。すぐに夢と現実に切り分けて、そこで思考停止してしまう。そこで自分が何か行動してみせると「夢の見すぎだ」とか「現実は甘くないよ」と言われ嘲笑を浴びせられたりもする。


それは恐怖心から生まれたイメージで、実際はそうじゃないかもしれない。けれど社会に出て会ったことのある人間のほとんどは否定的だった。それはもしかすれば親であってもそうだった。

「感動は創造の作り物のお話で、現実はつらく厳しいのが当たり前。
だからお互いに慰め合って生きましょう」


それが今を生きているわたしたちの共通認識だ。その共通認識から外れてしまうと、ある人からは「変わり者だね」と言われ、また別の人からは「何を考えているのか分からない」と評され異端者扱いされてしまう。


でも現実はそれがつらく厳しいと思うのなら誰かが人と違うことをして、変えようと思わなきゃ何も変えられないでしょ。物語はそれこそ夢や幻で現実には起こり得ない叶わないことを描いていると言うのなら、わたしたちは何に感動して涙を流しているんでしょうね。


自分の近くを探してみれば必ず誰かの小さな夢が無数に存在していることに気付くと思う。また、それを潰してしまう大きな障害がある。そんな場面を目の前に見せても無関心だったり、時間もなく忙しいふりをして「まあ、何とかなるよ」と言葉で励ますだけで終わる。そこに誰も手を差し伸べようともしないのだから、人はみんな本当に一人きりだ。


世の中には耳障りのいい言葉や、誰かのもっともらしい言い訳、あるいは誰かの立場にとって都合の良い建前に溢れていて、それに慰められている人も多い。そしてそれぞれが個人的な、自身の幸せに対してしか関心が向いていない。

「現実なんてそんなもんだろ、自分も他人も。誰もかもがそうやって生きてるんだよ」


そう独善的に決めつけて生きるのはとても楽だけれど、悲しいじゃない。悔しいじゃない。だから自分だけはと抵抗してみる。


ここがスタート地点。


ここに立ってみて、脚本家や漫画家、イラストレーターとか、言葉や物語を伝える何者かになるための入口になるのか、それとも、あいつはただの夢見がちな馬鹿だったねと笑われて終わるのか。どうなるのかは分からないけれど、できる限りのことはやってみようと思う。周りの小さな夢を叶えながら自分のための夢も叶える。それは自分がこの世界で人間らしく生きるために考えた生き方なんだから。

「イラストなんて儲からないよ」
ラノベで生活なんて出来ないよ」
「漫画家なんて競争率高いし大変だよ」
「脚本なんてもっと難しいよ」


そんなもっともらしい言い訳は、今その立場にいる者たちが自身の立場を脅かす後継を育てないことで自らの保身を考えているだけの言葉じゃないか。

だから、絶対に大人を信じるな!


自分にとって都合がいいだけの誰かの言葉を真に受けて、それを言い訳にしてはいけない。本当にダメなのかどうかは自分で確かめないと分からないようにできているし、人生はやり直しが効かないんだから。


自分の人生は奴らのための人生じゃない。
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まどか第9話 感想


魔法少女まどか☆マギカ 第9話 『そんなの、あたしが許さない』より引用

美樹さやか、助けたいと思わない?」
「助けられる…の?」
「助けられないとしたら放っとくか?」
「うぅ…」
「妙な聞き方しちゃったね、馬鹿と思うかもしれないけどあたしはね、本当に助けられないのかどうか、それを確かめるまで諦めたくない」


そして、杏子はまどかに自分の戦略を伝える。


あんこおおお

「うまくいくかな?」
「わかんねえよ、そんなの…、ふふ。…わかんないからやるんだよ」


まどかの友達のさやかが魔女化する。もう助からない状態になったと絶望している友達に対して、それを分かって見ているけれど自分には何も出来ない。何も出来ないから放っておくのか、それとも何か行動すべきなのか。


自分の生き方を振り返ると、決して到達点がそこに見えたから行動していたわけじゃない。先を見据えて上京したわけでも、起業を見据えて仕事をしていたわけでもない。だから、杏子の分からないからやるんだというセリフには、何かを知りたければ自分で行動するしかないんだと勇気をもたせてくれる。


ビジネスで恐れるのは金を失うことじゃない。挑戦する勇気を失ってしまうことだ。


という言葉をどこかで知った。お金のことなんてどうでも良くて、お金を失うことを恐れて守りに入ってしまえば現状維持はあれど前に進むことはない。何かしたいとか、誰かの役に立ちたいとか、困ってる人を助けたいとか、勇気をもって挑戦さえすればお金は後からついてくる…ついてくるはず!


従姉妹の女の子は短大卒業後の進路にすごく悩んでいて、「やりたいことが見つからない」「自分ができることもそんなにない」と将来を不安そうに語っていたことを思い出した。彼女の姉はすでに仕事をしているから、自分がそうなれるのか自信が持てないのだと思う。


でも、この不安はある程度年齢がいったって同じなんだ。やりたいことができているか、自分にできることを最大限しているのか常に問い続けなきゃいけない。

「わかんねえよ、そんなの。…わかんないからやるんだよ」


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俺妹第8話 感想


俺の妹がこんなに可愛いわけがない 第8話 『俺の妹がこんなにアニメ化なわけがない』より引用

「あーあ、気に入らない気に入らない。この世の全てが気に入らないわ」


黒猫ペロペロ


桐乃が書いたラノベがアニメ化することに決まって打ち合わせをしていたのだけど、桐乃の意見が通らないばかりか勝手に内容を書き換えられてしまうことに対して、兄の京介たちが説得しに行くシーン。脚本家は桐乃のラノベはつまらないと発言する。その脚本家は過去に小説を出していたのだけれどどれも売れていなかった、それを黒猫が指摘して言うセリフ。

「女子中学生が書いた原作をありがたく脚本に写すには、さそがしプライドが邪魔なことでしょう」


世の中の仕事はたぶん誰にでも出来るものばかりで、その人にしかできない仕事っていうのは思ったよりも少ない。だから、ある程度の立場になると実務以外の部分で優位に立とうとする。そして脚本家は自分の立場を利用して、自分ならこうしたいという個人的欲求を満たそうとした。


プライドはとても厄介なもので、これが無ければ仕事に対する責任感もなくなるけれど、逆にプライドがありすぎても自分の考えに固執してしまう。他人の成功や才能。これは妬ましく思えるけど、それを潰そうとしたり引きずり落とそうとしても何も良くならない。


イラストやデザインでもそうなんだけれど、何か良いと感じたり素晴らしいと思ったら何故そうなのか自分で調べて考えないと結果は生まれない。だから模写してみたり、よく目を凝らして観察してみる。そして自分が良いと感じた結果を表現にすれば良い。それをもし相手に伝えることができれば本人だってすごく喜ばしい気持ちになれると思う。本人にしてみれば自分では気付かない魅力に気付いてくれた相手がいたんだから。


だから年下だとか経験だとかは関係ない。それなのにプライドが邪魔して相手の良い部分を素直に誉められない人が多く、さらには才能がある人間を育てないことで自分の立場を守ろうと必死なんだと思う。そこに保守的と言うか、閉塞感があるのかもしれない。もちろん誰にでも生活があるから、それを一方的に責めることはできないんだけれど。


物語としては兄の京介のセリフでこう締める。

「頼む、あいつの意見を聞いてやってくれ!そいつは俺の妹が一生懸命書いたものなんだ。すげえがんばって書いたんだよ。あんたらアニメのプロなんだろ?だったら本気見せてくれよ。このままじゃ、俺の妹はアニメに…、大好きなものに幻滅しちまうんだよ!」


その言葉にアニメの制作陣は改心して、桐乃が提案していたアイデアはほとんどが採用されることになる。これはアニメだから都合よく上手くいくんだよと言われるかもしれないけど、これが理想の社会のあり方だと感じるなら叶えていきたい。誰かの願う気持ちに応えられる社会であって欲しいなと思うけど…、まだ社会はそんな小さな願いも聞き入れてくれないみたいだ。


だから最近のアニメではこう言うんだ。

「夢もキボーもありゃしない。」

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