東のエデン第4話 感想


東のエデン 第4話『リアルな現実 虚構の現実』より引用

『それで君はあと何が聞きたいのかね。君が何者かなんて私にも分からないよ』


他のセレソンに会いに行った滝沢。自分が記憶を消したのは過去に重大な過ちを犯したせいかもしれないと、その不安を口にする。


火浦

『君は記憶を消してまで何かをしようとしたんだろう?履歴から察するに記憶を消す前の9番はなかなか魅力的な人物だった…。その君が、過去を捨ててまで新しい自分にかけたんだ。だったら、そのままの君で良いと思うがね』


第1話から通して見ていると、この記憶喪失にどうしても引っ掛かってしまう。これは「いつだって決意さえすればやり直せる」という意味に見える。結局、記憶喪失じゃなくても自分が何者かなんて誰にも分からない、それは聞かれた火浦さんも自分自身が何者なのかなんて答えられないから。


普通なら記憶を消すことはリセットボタンと同じで全てがゼロに戻ってしまうように思えるけれど、何かを成し遂げる決意のために必要なんだと思えば納得できる。それは不慮の事故で記憶が消えたわけじゃなく、滝沢くんが自分で記憶を捨てることを選んだから。


自分がこれまで続けていたことを捨てるのはとても難しい。それは仕事を捨てたり、今までの環境を捨てたり、お金を捨てたり、好きな時間を捨てたり…。捨てるのはとても勇気がいるし、不安やリスクも感じてしまう。


けれども捨てると決意した。それだけ大きな決意を持っているのなら多少の困難は乗り越えられる。これこそ自分を信じた証であって、捨てたことに対して負い目に感じることはない。もし大事なものも間違えて捨ててしまったとしても、あとで取り戻せば良いだけだ。


決意すればいつだってやり直せる。


64795