花咲くいろは第14話 感想


花咲くいろは 第14話『これが私の生きる道』より引用


旅館でバイトをしていた仲居達数人が急に辞めると言い出して、番頭さんと揉めだすシーン。その仲裁にはいる緒花に対して、それを見ていた結名が焦りもなくマイペースな口調で話し始める。

「仕方ないよー、旅館で働くの大変だもん。興味ない人がやっても続かないよ。いくらお金をもらえてもやりたくないことじゃ続かない、やっぱり好きなことじゃないとぼんぼれないよね」


ぼんぼる

「あたしね、やりたいこといっぱいあるの。その中で一番好きなことを仕事にするんだ」


この一言で許婚に対してのフラグを完全に折る結名のシーンがよかった。これまで不自由なく暮らしてきて、何も考えてないような、軽く見られがちな女の子なのに、実は生き方をきちんと考えているような。


働くことは大変だからやりたくない。そう考えて生きている人がとても多くて、お金のために我慢して働くことが美徳だと思っている。だけど、それだけが全てじゃない。


ずっと人知れず我慢して努力して、最後に報われる物語も好きだけれど、現実はそう上手くいかない。誰にも気付いてもらえず自己満足で終わることがほとんどだし、そのことで他人を責めることは出来ない。


じゃあ、どうするか。


自分が興味あることを試して、自分が一番好きなことを仕事にするためにぼんぼることじゃないのかなと思った。自分の目標に進むためなら大抵のことは我慢できる。そしてそれは嫌な仕事を我慢するより絶対に楽しいはずだ。だって、その先には好きなことを仕事にできるご褒美が待っているのだから。


どこにだって嫌々仕事している人はいるし、それとは逆にすごく楽しそうに仕事をしている人もいる。今はお金を期待できるような世の中では無いし、仕事に安定を求めるという生き方も一概に悪いとは言えない。けれど無意味な我慢比べをしてまで仕事を続けたって良い結果にはならないことは明らかだ。


説明を省いたけれど、『ぼんぼる』とは目標に向かってがんばりたいと思うざっくりとした気持ちのことらしい。これは、ただがんばるという意味ではないし、ただ我慢するという意味でもない。だから良い言葉だと思う。
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