生存第12話 感想


生徒会の一存 第12話『生徒会の一存』より引用

「あなたに足りないものはね…主人公精神。
恋愛シミュレーションをやりなさい。ああいうゲームの主人公は女の子みんなを幸せにするでしょ?そういう気持ちを学ぶべきよ」

生徒会の一存


杉崎に対して会長が言うセリフ。


恋愛シミュレーション云々はおいといて、この「主人公精神」というのは良い言葉だと思った。生き方というのは、常に理想と現実の間に立っている状態であって、叶わない理想は無いものと等しく扱われてしまう。


けれど、ストーリーには何か理想を持つ主人公がいなければ成り立たない。映画でもドラマでもアニメでも大抵はそう作られている。最近見た言葉で印象に残ったものがある。

「映画やアニメでも、みんな同じものを見て感動したり、共感する気持ちがあるのに、現実ではそんなものが一切ない。それは悲しいことだね。」


そんな内容だったと思う。素晴らしいものを見ても、「それは誰かが作った演出された理想で、現実とは違うんだ」と切り捨てる人が多いのかも知れない。自分の場合は、そういう理想を信じて突き進んでしまうようなところがあるんだと思う。それが良いのか危険なのかは分からないけど。


続きに杉崎の語りがあるので引用。

「春に彼女に出会えてよかった。彼女に出会わなければ、俺は前を向かなかった」
「夏に彼女に出会えてよかった。彼女に出会わなければ、俺は腑抜けたままだった」
「秋に彼女に出会えてよかった。彼女に出会わなければ、俺は人知れず潰れていた」
「冬に彼女に出会えてよかった。彼女に出会わなければ、俺は強さをはき違えていた」


そのあとで杉崎は、「女の子の笑顔のためなら何でもがんばれる」と言うのだけど、それがどこか自分と重なって見えた。ここで言う彼女に、今まで出会った誰かを当てはめて考えてしまう。


結婚してしまった前の職場の女の子や、愛花の中の人の早見ちゃんや、上京後のバイト先で一緒だった女の子や…、もっと前だと一番最初の会社で色々教えてもらった女性とか、初めてのバイト先の年上の女性とか…。


きっと今の自分があるのもそんな多くの出会いのおかげなのだし、そういう全ての人たちを幸せにするために生きるのが自分のありたい姿なんだと思う。それがストーリーの傍観者側ではなく、自分が主人公でなければ叶えられない理想で、それを現実にしていくのが今の自分の物語なんだと思う。